横山柳|和の伝統

古来の正装「訪問着」の魅力

日本のマナー日本の服装

訪問着とは、女性が着用する着物の種類の一つです。古来は家紋を袖や背中に入れる正装でしたが、今は家紋を入れることで格式高く使用する場所が限られてくることから、家紋なしの華やかな訪問着が好まれて作られる傾向にあります。結婚の有無にかかわらず着用することができ、結婚式や園遊会、同窓会など、フォーマルな場面で着ることも可能で、お世話になっている方の家への訪問や食事会などのセミフォーマルな場、親しいご友人にあう、演劇を見に行くなどのカジュアルな場でも活躍する衣装です。訪問着は華やかな花や動物が描かれているものが多くありますが、年齢によって柄の入れ方の使い分けがされています。

未婚・既婚して間もない若い方の場合は、着物の全面に柄の入った総絵柄の華やかな衣装を、既婚されている大人の女性の場合は、着物の裾や部分に柄が入ったシックなデザインのものが推奨されています。着物の色や柄は、自分の好みのものを選んでかまいません。活躍の場が多数あることから、訪問着と帯や下駄のセットを1つ持っていることで、正装する際の選択肢が広まります。レンタルによる利用も盛んに行われており、フルセットの着物を必要な時期に借りてリーズナブルに着用することも可能です。